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「すべての日が良い日」って、なかなかいいセリフだった

2月26日(月)

今日は大安吉日。予定通り、婚姻届けをするためにサラピーの郡役場へ行った。そして帰りに、これも予定通り、よく2人で通ったイサーン料理店に立ち寄ってお昼ご飯を食べた。もちろんビール付きだ。

DSC_1553.jpg

空港に近いこのイサーン料理店は、去年の7月末、僕が彼女とお別れしようとして、「最後の食事」をするつもりで行ったお店だ(10月のエントリー「真夏の情事(6)」の冒頭に書いた)。新しい住まいに移ってからは一度も行ってなかった。

本当はここで2人だけの“祝杯”をあげるつもりだった。ところが、ちょっとした予期せぬ不都合が生じて、今日は婚姻届けを受理してもらえなかった。

朝の9時半に役場に着いた。駐車場に車をとめて、僕たちは道路を隔てた向かいにあるお店に立ち寄って、書類を何枚かコピーした。彼女の住居登録証と国民登録証を家でコピーするのを忘れてきたからだ。

役場に入ると、カウンターの女性から「外国人の方ですか?」と聞かれ、「そうです」と答えると、、事務室の奥に座っている位が上の男性のところに行くように言われた。

男性の役人は僕から書類とパスポートを受け取り、かなりの時間をかけて読んでいた。ところが、考えもしなかった言葉を口にしたのだった。

「書類は問題ないみたいだけどね。今日は決裁する責任者が会議に出て行って戻ってこないんだ。だから今日は無理なんだ」

え~っ!せっかく大安吉日を選んで今日にしたのに、責任者が不在だから婚姻届けを受け取れない・・・なんじゃそれ!日本ではありえないことだ。やっぱりタイだよな。チェンマイ市内じゃなくて、田舎の役場だからこうなるんだ。

となりに座っている彼女はまったく動揺した様子もなく平然として男性に聞いた。

「いつなら責任者の方はいますか?」

「今は分からないので、朝の8時過ぎてから、前もって電話してちょうだい」

僕は彼女に小声で囁いた。

「せっかく“良い日”を選んで今日にしたんだよ。今日、別の役場に行った方がいいと思うけど・・・」

大安と言う単語がタイ語でどう言うのかわからなかったので、「良い日」と言ったのだ。すると彼女は、僕の言葉をピシャリと否定した。

「今日が良い日ですって?今日も、明日も、明後日も、全ての日が私たちにとっては“良い日”です。他の役場に行く必要はありません。またここに来ましょう」

ということで、今日は正式には“夫婦”になれなかった。僕は少しだけがっかりしたのに、彼女は全然平気そうだった。

「明日も行く?」

「朝、役場に電話してから決めましょう。一日や二日ズレたからと言って、何の問題もないでしょう。」

その通りであることは間違いない。きっと仏滅だって、彼女には関係ないにちがいない。何しろ、「すべての日が良い日」なんだから。いい言葉だね。少し彼女を見直した。というより、問題が起きたときに発する彼女の言葉は、相当に“的を射た”言葉が多い。



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非公開コメント

No title

日々是好日、ですね。

いつも興味深く、拝見しています。

一つ前のコメントは、中折れになり、すみません。

我が子の狂気

日本では「我が子の狂気」に苦しむ親が少なくありません。子殺し、親殺し、心中はよく報道されるところです。

そして、報道されることはありませんが、「狂気に満ちた自分の家」から逃げ出して借家に住む、などといったこともあるようです。

また、聞いた話では、
① ぼくの友人の兄(60歳くらい。東大の理科を出た秀才)も苦労を強いているそうです。(40代半ばから仕事を辞めて引きこもり。)

② 数か月前、父親の相続を機に、生活資金の送金を止めると母親が宣言したところ、大暴れしているそうです。(それまでは、父親が送金。)

詳しくは申せませんが、アラ古希のぼく自身も逃げ出したくなることがあります。

人それぞれに人に言えない苦労があるのだと思います。ドストエフスキーを読んでみたくなりました。


Re: No title

なまけものさん、こんにちは。

> 一つ前のコメントは、中折れに・・・

中途半端で終ったということですかね?全然気づきませんでした。

Re: 我が子の狂気

P-takさん、こんにちは。

> 人それぞれに人に言えない苦労があるのだと思います。ドストエフスキーを読んでみたくなりました。

「カラマーゾフの兄弟」ですかね。すごい長編で、人間関係がややこしいので、ほとんど覚えてませんが、一読に値する名作だと思います。

僕のブログは、ノンフィクションとフィクションの中間よりややノンフィクション寄りと考えてお読みください。100%ありのまま書いてるわけではありません。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
2012年、60歳でチェンマイへ移住。2017年にタイ人の妻を病気で亡くした後、愛人だった若いタイ人女性と再婚、前妻が可愛がっていた小さな犬2匹も一緒に暮らしている。

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