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涙は、女の最強の武器だった

3月10日(土)

「どうして『2万バーツちょうだい』としつこく言い続けるのか?一体何に使うのか?はっきり理由を言いなさい!」

昨夜の食事時に、ついに僕は彼女を本気で追及し始めた。2万バーツのことだけではない。実は2か月ほど前に、「お店の開店資金の一部」として10万バーツを貸してあった。ところが、一向にお店を開く気配がない。そのお金はどうなったのか?

“2万バーツ問題”よりも“10万バーツ問題”の方が額は遥かに大きいが、後者は貸したお金だ。しかも一応は使途がはっきりしている。だから僕にとっては、“2万バーツ問題”の方がより強いストレスになっていた。しかも、婚姻届けを提出する前後から、彼女の2万バーツへの執着が異常だ。

「2万バーツを整形のために使うことは絶対にない」「開店資金として借りた10万バーツはまだ使っていない」と彼女は答えた。10万バーツについては「借りたもの」という認識がはっきりしていた。その点は評価する。

“イサーンの実家の改築問題”についても問いただした。つまり、これまで資金援助をしたのかどうか、また改築にいくらかかるのか、その点も聞いた。

さらには、なぜ結婚しても僕のことを近所の父方の親戚に紹介しようとしないのか?これは喉に魚の小骨が引っかかっているような問題だった。僕はニコニコしながら話したのではない。刑事や検事の取り調べ程ではないにせよ、かなり強い口調だったと思う。

実家の改築については、僕から聞かれてすぐに彼女はイサーンの実家に電話した。義理のお母さんの返事は曖昧なもので、「20万バーツでは済まないだろう」と。彼女がその理由を聞くと、シーサケットの大工の労賃が想像以上に高いと答えたらしい。受注する仕事が少ないので、かえってチェンマイなどよりも割高になるというのだが・・・義母には悪いが、俄かには信じがたいことだ。

そのあと、改築の現状については、家の写真を撮って送ってくれることになった。それによって、実家がどんな感じなのかは分かるかもしれない。それに、改築資金を僕に援助してほしいとは言わなかった。言わずもがな、なのかもしれないが。

昨夜は、彼女は気丈に対応した。だが時折り、こんなことも口にした。

「ワタシのことが、もうイヤになったんですか?」

彼女の顔には明らかに「不安」が浮かんでいた。僕もこのまま金銭のことで問題が続くようなら、「2人はもたない」という思いも少しだけれども、確かにあった。だから彼女にはっきりと言った。

「お金の問題と言うのは面倒だ。それが原因で夫婦別れすることはどこにでもあることだ。それを防ぐには、とにかく正直に、本当のことを相手に話すことに尽きる。騙すのは最悪。何も言わないで黙っているのもいけない。プー・トントン!(正直に話せ)」

そして寝る時のこと。例によって“お勤め”に及ぼうとすると、「とてもそんな気にはなれません」と、一旦は拒否の姿勢を見せた。あくまでも“一旦は”だけれど。


今朝起きると、彼女の機嫌は直っているように見えた。僕は昨夜の夫婦喧嘩のようなやりとりがあって、かなり疲れていたのだろう。熟睡できなかったので、なかなかベッドから出られなかった。

そのうち彼女は僕のそばにやってきて、こう言った。

「昨日の話は、まだ終わってませんよ」

きっと彼女は作戦を練ったのだろう。長い話しが始まった。これまでにない早口。しかも強い口調。まるで怒っているようだった。話の中身の詳細はこの際省略するが、ひとつだけ書いておくと、2万バーツの使途は2つだと言った。

ひとつは、前にも言っていたことだが、イサーンの義母(53歳)の目が悪いので、評判のいい漢方薬を買って送りたいということ。「D-CONTACT」という薬だ。値段は結構高くて、4箱(120錠)で5000バーツほど。その薬の写真と価格表も初めて見せてくれた。

もうひとつは、これは少し驚いた。彼女は10数年前、高校生のときに政府系銀行から奨学資金を2万バーツ借りていた(証拠を見せた)。その返済が一昨年の9月を最後に滞っていて、残金は12,000バーツほどある(証拠を見せた)。彼女は、僕と結婚したのを機に、残金を一括返済したいのだと言った。高利貸ではないから取り立ては厳しくないが、ケジメとして、どうしても返したいらしい。

それにしても、どうして奨学金の返済のことを黙っていたのだろうか。それくらい、追及されるまで言えなかったのだろうか。

10万バーツのことも、親戚に会わせていないことも、ものすごい早口で説明を続けた。話しの途中から彼女は涙声になっていった。しばしティッシュペーパーで顔をぬぐうので、話は途切れた。でもさらに早口になった。つまり、僕は半分くらいしか理解できなかった。だから詳細が書けないということもある(笑)。

僕は思った。

彼女の説明は、きっと本当のこともあれば、ウソも混じっていると思う。とくに、開店資金の10万バーツは「父親に預けてある」というのだが、それはどう考えても変だ。でも、まあいいや。2万バーツくらいのことで彼女を追及したのは・・・・。それにしても、これまで涙を見せたことなど一度もなかったのに、昨夜も泣かなかったのに、今朝は一体どうしたのだろう・・・・

彼女はいつまでたっても説明をやめなかった。泣くのもやめなかった。イサーンの義母には改築資金の一部として3万バーツを1月に送金したと言った。去年の暮れに、生活費以外に“ボーナス”をあげたので、それを使ったと言った。僕が、「もういいよ、ごめんね」と言っても、話をやめなかった。「奨学金の返済も、義母の薬も全部出してあげるよ」と言っても、涙は消えなかった。

そして僕は思った。

この涙は、彼女の一世一代の大芝居かもしれない。昨夜の僕の追及ぶりを見て、「これは下手すると、そのうち『キミとは別れることにした』と言われるかもしれない」と、本気で思ったかもしれない。

「泣いたって、騙されないぞ」と言う事もできる。でも、待てよ・・・これだけ一生懸命考えに考え抜いて僕に話しているのだ。本当に僕を失うのが怖いのかもしれない。この際、騙されたふりをしようか。もし騙されてなければ、それはそれで、とてもいいことなのだから。

彼女は、まだベッドから抜け出せない僕の上にまたがってきて、僕の胸をわざとらしく軽く軽く、可愛らしくたたいた。まだ少し泣き顔のままだった。女は・・・・強いな。参った。


僕たちはお昼前にセントラル・エアポートというデパートに出かけた。2人でそこに行くのは何と4年ぶりだった。彼女との2回目のデートの時に行った場所だ。4年前は、そのあと初めてホテルに入ったのだった。彼女も僕も、その日のことを鮮明に覚えていた。


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最後の文章いいですね。おち?

私がタイ人と結婚して思うことは、お金で喧嘩・お金で分かれる、ということ。
私の妻も如何にして、私からお金をせしめるか。如何にしてお金をつかわせるか?そう考えていると思います。言い方が悪いですが。
私は、妻の手に渡ったお金は、妻のものだから、干渉しない、ご自由に、という考えです。
しかしながら、いくらお小遣いをあげても、欲を出してきます。人間は、そんなものですが。
さて、シーサケットは、イサーンでも貧しい地域だと思います。
奥さまは、なんとかして、叔母様であるお母さんを楽にさせてあげたいのでしょうね。

Re: 最後の文章いいですね。おち?

スモール明さん、こんばんは。

場所は少し違えど、イサーンでタイ人妻と暮らしておられる方の言葉は一つ一つ重く響きますね。

> 奥さまは、なんとかして、叔母様であるお母さんを楽にさせてあげたいのでしょうね。

これは、前妻との経験からも容易に想像がつきます。

前妻と一緒に暮らし始めてからの1~2年は、常に疑心暗鬼に苛まれる時間でしたから。今にして思えば、それを乗り切ってはじめて人間としての信頼関係が築けたような気がします。

No title

お金はデリケートな問題で、特に若いタイ人と年金満額受給年齢の日本人(早い話が老人ですが)との間ではそれぞれの考え方の違いも相まって中々大変だと思います。

私の妻は日本人ですが、それでも「生活費以外に自分の自由になる金が欲しいと言い出し、退職金もらったら300万円ちょうだい」と要求された事があります。

リーマンショック前で景気の良かった事も有りうっかり「OK」と言ってしまいましたよ(笑)。

日本人=金持ちと思われているし、実際イサンの方々に比べれば圧倒的な経済格差がありますから期待される訳ですが、と言っても我々に無限にお金が出てくる魔法の財布がある訳ではありませんから悩ましいです。

奨学金の残債1万2000Bですが、お話からすると20年返済の年1000B+利息位を返していたようですね。

不思議なのはタイ人の借金に対する感覚です。残債1万2000B≒4万800円位はその気になればとっくに繰り上げ返済で来ていたと思うのですが、、、、、、。

もっとも若い女性は水商売をしない限り収入が少ないので、万年ピーピーしていたのかも知れません。あればあるだけ使うのもタイ人ですしね。



Re: No title

AAAさん、こんばんは

> 不思議なのはタイ人の借金に対する感覚です。残債1万2000B≒4万800円位はその気になればとっくに繰り上げ返済で来ていた

そうですね。彼女に関しては、亡くなったお母さんが高利貸から借りていた5万バーツを返済してあげたのが1年半くらい前です。そのとき、「他にもう借金はないの?」と確認して、「ありません」と言っていたのです。まだあるかもしれません。とにかく金銭感覚は、彼らは異常としか言いようがありません。異常でも何でも、生きていくのには困らないから不思議な人たちです。

一生懸命の説明

2万Bについては、証拠も出したので、今回はなるべく本当の事を言おうと思ったのでしょうね。

しかし、確かに10万Bもの(イサーンで)大金を、人に預けたとは不自然ですよね。

貸した金(人に渡した金)がそのまま有るなんて信じられないし、
本人だって安全だとはきっと思わないはずなのに、
良く説明を聞いて理解する必要はありそうですね。

なにか困った事を隠して、ストーリーを作った様な匂いもしますし。

でも、妻の事ですから、あまり追い詰めない方が良いかもしれませんけどね。
こんな事でも縁の切れ目の始まりにならない様に気をつけた方が良いのでしょうね。

改築の話は、そんな感じの進行になるのが普通なので、3万B以降は請求が来ないと判らないでしょうね。

一つ心配なのは、日本人が金を出すのだとしれると、請求額が上がっているかもしれません。工賃なんかは、他の大工の親方にも聞いてみる事が出来れば良いかもしれませんが。

Re: 一生懸命の説明

ナイアンプアさん、こんばんは。

> しかし、確かに10万Bもの(イサーンで)大金を、人に預けたとは不自然ですよね。

実のお父さんに預けたと言ってます。なぜ銀行に残しておかないのか、まったく不可解。お父さんにあげたのなら、そう言えばいいだけですよね。

>日本人が金を出すのだとしれると、請求額が上がっているかもしれません。

さきほどブログに書きましたが、まだ工事は始まってないようです。でも、貧乏なお母さんの家となると、お金の出所を大工さんは知りたがるかもしれませんね。「チェンマイの娘が日本人と結婚したんですよ」とか。

ご参考

毎日新聞2018年3月12日 タイ政府系の「学生ローン基金」が、奨学金の返済金を勤務先の給与から天引きし、強制的に回収する計画を進めている。滞納者が230万人、滞納総額も680億バーツ(約2300億円)に膨らんだため。6月から一部国家公務員を対象に試験導入し、9~10月以降は大企業の社員らへと順次拡大する。利用者からは「あんまりだ」との声もあるが、基金側は「制度の危機だ」と理解を求めている。
 基金の制度は1996年に始まった。昨年末までに540万人が利用し、貸与総額は5640億バーツ。年利1%で、返済の必要がある人は356万人だが、このうち滞納者の割合が64%、滞納額の割合も貸与総額の12%に上っている。基金はこれまで、滞納者約120万人を相手に返還訴訟も起こした。さらに回収を進めるため、天引き制の導入を決定し、必要な法整備も昨年実施した。学生時代に基金を利用した人は、雇用主に自主的に申告。基金側も利用者の名前などの情報を雇用主に提供し、漏れがないか確認してもらう。雇用主が天引きした返済金を基金に送る仕組みだが、返済期日に遅れた場合は、雇用主に対して延滞料を課す。

Re: ご参考

なまけさん、おはようございます。

毎日の記事は読みました。30万バーツ以上借りた学生もいるそうです。日本も奨学金の返済は昔から問題になってますね。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
身を削って過ごした30余年のサラリーマン生活にピリオド。ここチェンマイに移り住んでからも、楽しいこと辛いこと、いろいろとありました。でも、それは全部過去のこと。人生、どこまでリセットできるものなのか、自ら実験台になって生きています。

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