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僕たちの合言葉

10月6日(金)

男と女の心が通い始めると、ひとつの言葉が二人にとって特別な意味をもつようになることがある。

愛し合ってる二人が「愛してるよ!」と言い合っても、面白くも何ともない。ところが、その言葉を発した途端、お互いに顔を見合わせて微笑んでしまう。そういう言葉があれば、二人の結びつきはどんどん海のように深くなっていく。

彼女の場合は付き合い始めて2~3か月目くらいから、ある言葉を頻繁に口にするようになった。それに釣られて、僕も知らず知らず使うようになった。それは・・・「แล้วแต่(レオテー)」

僕たちは初めは今ほどは頻繁に会ってなかった。1週間に一度くらいの割だった。それが2年以上続いた。会ってもすぐ車で密室へ向かい、やることを済ませたら寄り道しないで彼女を家まで送ることがほとんどだった。一緒に食事もめったにしなかった。つまり、平たく言えば週に一度のセックスパートナーだった。

彼女を家まで迎えに行き、車に乗せて走り出すと、僕は「今日はどこへ行く?」と必ず聞いた。本当はどこへ行きたいか、分かってるんだけど。何回も逢瀬を重ねるうちに、彼女にはお気に入りのホテルができた。しかも、そのホテルの中でも9番の部屋がお気に入りだった。

僕がそのホテルの名前を口に出して、わざとらしく「行く?」と聞くと、彼女は「レオテー」と答えるようになった。

タイ語の「レオテー」という単語は、「あなた次第」と訳す人もいるけど、僕は「お好きなように」と訳すのが感覚的にピッタリする。彼女にしてみれば、お気に入りのホテルに行くことが分かってるから「レオテー(お好きなように)」と言うようになったんだと思う。

彼女は、デートの行き先に関して「レオテー」と言うだけではない。ある時からお手当てをあげることにしたけど、その額についても「レオテー」だった。幾らほしいかと聞いても「レオテー」としか返ってこない。具体的な額を口にしたことがない。つまり彼女の「レオテー(お好きなように)」は相手に対する信頼をあらわす言葉になったのだ。

彼女が「レオテー」と言うだけでなく、そのうち僕も彼女に何か聞かれた時に「レオテー」と答えることが多くなった。口癖がうつったと言うより、お互いに「レオテー」と言い合うことが楽しくなったのだ。

「レオテー」は自分では主張しないで相手に下駄を預けることを意味する。自分の望んでいることは、言葉にしなくても相手は分かってくれている。そういう信頼感がなければ「レオテー」とは言えないような気がする。

ただし例外はある。たとえば、「今日は何食べる?イサーン料理?それとも寿司にする?」そう聞くとする。彼女から返ってくる言葉が「レオテー」だとすると、この場合は本当に「好きにして」という意味になる。要するにどちらでもいいのだ。もし寿司が食べたかったら、彼女はちゃんと「スシ」と言う。

もうひとつ例をあげる。密室での合体が終わったあと、僕が「第二ラウンドがしたい」と言うことがある。すると彼女は一瞬ギクッとした表情を見せるけど、すぐ落ち着きを取り戻して「レオテー」と答える。「いやだ」とか「無理じゃないの?」とか、間違ってもそんなことは口にしない。

彼女が「レオテー」と言うのは、文字通りには「第二ラウンドがしたければどうぞ」という意味だけど、本当は僕の言葉が冗談だと分かったときに使っていると思う。付き合い始めて最初の頃は、冗談じゃなくて、本当に2回戦となったことが時々あった。その頃はまだ「レオテー」とは言ってなかったような気がする。

僕たちの「レオテー(お好きなように)」は合言葉ようなものだ。お互いが「レオテー」という言葉を相手に投げて楽しんでる。キャッチボールをしているようなものだ。決定権を相手に渡すことによって、僕たちの心の結びつきが深まっていったような気がする。

ところが、つい2か月ほど前、彼女が「レオテー」なんて言ってられない「事件」が勃発した。

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プロフィール

Niyom

Author:Niyom
2012年、60歳でチェンマイへ移住。2017年にタイ人の妻を病気で亡くした後、愛人だった若いタイ人女性と再婚、前妻が可愛がっていた小さな犬2匹も一緒に暮らしている。

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