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1人だと健康不安が顔を出す

4月17日(火)

彼女が戻ってきて2日目の朝を迎えた。

帰ってきた夜は、「きょうは眠いから」と言ってイヤそうな素振りを見せる彼女に構わずに、1週間ぶりのお勤めに及んだ。この場合は「及んだ」という日本語がぴったりするような雰囲気だった。夫婦だから、まさか「犯した」と表現するのも変だろう。

そして昨夜は双方示し合わせたように、どちらからともなく自然体で行為に没入し、「もう~、またですか」という感じは全然しなかった。

ただ、事を終えた直後は、いつものことだが彼女の方は急に我に返ったようにキッと目を見開いて、言葉に出すわけではないけれども、「もう、しょうがない人ね!」という顔つきに変わるのだった。


実は彼女がいない5日間、僕はちょっとした不安を抱えて、「どうしてこんなときに彼女がそばに居てくれないのだろう」と恨めしい心持ちに陥っていた。それは何かというと、夜になると心臓の鼓動に異変が起きていることに気づいたのだ。

「不整脈」というのは何種類かあって、放っておいて何ら問題のないものと、なるべく早く専門医に相談して、場合によってはすぐに治療しなければならないものに分けられる。僕の場合はほとんど“脈が飛ぶ”ように自分でも感じられるタイプの心拍の乱れで、偶にというよりは、夜寝る前などには1分間に1回くらいの割合でそれが自覚されるのだった。

さらに悪いことに、頻脈に類する不整脈を自覚することも皆無ではなかった。こちらの方は脈が飛ぶように感じる“徐脈”よりはタチの悪い場合が多く、専門的に言うと「心室細動」の場合は放っておくわけにはいかない。こちらは危険な場合がある。

心臓の鼓動に異変を感じる時は、精神も不安になるものだ。彼女のいない5日間にもし何かが起きたらどうしようと考え出すと、さらに不安は増大した。ただ、「これは心配ない。加齢のせいだから仕方がない」と自分を納得させる事実も思い出していた。

脈が飛ぶような感覚は今に始まったことではなく、もうかれこれ10年以上も前から時々あった。いつも自覚するのではないけれど、ふと気が付くと脈が飛んでいることはしばしばだった。そればかりでなく、1分間に120回以上も脈を打つ、よりタチの悪そうな頻脈現象も、やはりかれこれ10年位、こちらはごく稀にだけれども、経験ずみなのであった。

一番ひどい頻脈が起きたのは、今から7年前の2011年5月のことで、その日のことはハッキリと覚えている。亡くなった妻と一緒に、家を新築するために建築業者の人と某ホテルのロビーで打ち合わせを済ませた帰りだった。

駐車場に停めてあったレンタカーに乗ろうとしてゆっくり歩いている途中、急に心臓に微かな電気振動が起きたような感覚が走り、しかもそれが10秒以上、もしかするともっと長く続いたのだ。当然気持ちも悪くなり、その場に立ち止まって自分の脈をとった。すると拍動は120どころではなく、トットットットットットッというように、まさしく「細動」というにふさわしく、実に弱々しく、しかも1分間に180回以上と思われる速さで打っていた。それまでも脈が飛ぶ徐脈だけでなく頻脈を経験したこともあったが、せいぜいそれは3~4秒のことで、特に気にも留めていなかった。

あれからも何度か健康診断を受けているけれども、心電図をとっても心臓に問題があるという指摘を受けたことは幸いに一度もない。だから普段は忘れているのであるが、今回のようにたった一人でいると、脈が飛ぶ方の“徐脈”はときどき起こる。

不思議なもので、彼女がイサーンから帰ってきた夜から昨日まで、それまで頻繁に感じていた“脈が飛ぶ感じ”はお勤めに励んでいるときはもちろんのこと、随分と収まってきたところをみると、やはり心拍の異常というものは相当部分は精神的なものであるようだ。

とはいっても、加齢とともに心拍の異常は増えてきているようにも感じられるので、そろそろまた健康診断を受けろというサインかもしれない。若い彼女のために一番いいことは、僕ができるだけ長く、できるだけ元気なまま生きて、彼女の暮らしを支えてやることだと思う。

彼女も、「お勤めは、それがずっと毎晩のように続くと、女はあそこに負担がかかるけど、その歳になると何もできない男の人もいることだから、それに比べたら遥かに自分は幸せだ」と先ほど言ってくれた。それならいっそのこと、いつか腹上死できれば男として本望かもしれないという思いが僅かに頭を掠めたが、まだ早い気がしてそれは諦めた。


全くの余談だが、最近は谷崎潤一郎のような“近代小説”を読み過ぎるせいかどうか、自分の書く文章の文体まで影響を受けているような気がしてきた。リズムの良い短文の積み重ねを信条としてきた自分本来の文体を取り戻さなくては・・・


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プロフィール

Niyom

Author:Niyom
身を削って過ごした30余年のサラリーマン生活にピリオド。ここチェンマイに移り住んでからも、楽しいこと辛いこと、いろいろとありました。でも、それは全部過去のこと。人生、どこまでリセットできるものなのか、自ら実験台になって生きています。

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