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バイク事故の顛末は・・・

5月15日(火)

昨日はバイク事故の当事者2人が警察に呼ばれていた。先週の金曜日の夕方、スーパーハイウエーと言われているチェンマイ市内の幹線道路で起きた事故で、70歳に近い相手の男性はバイク同士が接触して転んだ際、右肩を痛めたと言ってまだ入院している。骨折ではなく打撲のようだが。

事故の起きた日の夜、息子と息子の友達と僕の3人で病室を訪れた。男性はすぐにベッドから起き上がって、「肩の骨が折れている。これでは仕事ができない。1年間の生活費を保証しろ」と、事故の相手の高校生に迫った。僕は事故の状況が分からないので、何も言わなかったし、終始タイ語が話せないふりをした。それに、骨が折れていると主張する割には全然痛そうにしていないので訝しく思い、「事故のことは警察で話しましょう」とだけ日本語で言った。それを息子がタイ語で相手に伝えた。高校生の義理の息子は入院こそしなかったが、今も松葉杖がないと歩けない状態で、毎日病院へ通って手足の傷の洗浄をしてもらっている。


警察では、担当の警察官が双方の言い分を聞いた。ただ、相手の男性は質問に対して的外れな答えをすることが多く、ほとんどの時間は警察官と高校生のやりとりに費やされた。相手の男性は、とてもそうとは思えないような身なりをした年配の弁護士?を連れてきたけれど、警察官の尋問の間はほとんど口は出さなかった。警察官が言ったのは、基本的には後ろからぶつかった方が悪い。ただ、現場に監視カメラが設置されていないので判断がつかない、というものだった。

相手の男性は、「高校生のバイクが後ろからぶつかってきた」と主張したが、警察官はそれを採用しなかった。昨日警察が作成した「事故証明書」は、事故の日時や場所、当事者の名前など、事実関係が記されているだけで、詳しい状況や責任の所在については書いてなかった。ニュートラルな記述だった。「事故証明書」は、それがないとケガの治療に強制保険が使えないので、とても大切なものだ。昨日は双方が証明書を受け取って別れた。


そのあと相手の男性と偶然病院で再会した。傷の治療のために、車いすに乗って救急の部屋の前で待っていた息子の方に男性がやってきて、「君は、自分に全部責任があると現場で言ったじゃないか」と声をかけてきた。高校生の息子はハッキリとした口調で、「『大丈夫ですか?ごめんなさい』とは言いましたけれど、責任があるなんて言ってませんよ」と反論した。警官の前では口数の少なかった男性も、他所では強気のようだ。僕は息子に「何も言うな。こんなところで言い合いをしたって無意味だ」と日本語で諭した。

僕たちと一緒に警察署に行ってくれた知人(日本人女性とタイ人男性のご夫婦)は、ご主人の方が取り調べた警察官とは知り合いだったようで、親しそうに挨拶していた。警察官の取り調べは僕の見ている限りでは、できるだけ事故の状況を明らかにしようという公平な態度だったように感じた。ただ先ほど言ったように、監視カメラの映像がないという理由で黒白の判断をしなかった。

「相手は弁護士まで連れてきていたから、きっとお金を寄越せと、そのうち言ってきますよ」と日本人女性が言うと、夫のタイ人男性の方は「バイクの修理代だと言って数千バーツ渡して、奇麗サッパリ終わらせるのが一番いいですよ」と言った。女性は「いや~、もっともっと高いことを言うような気がする」と心配そうな表情だった。僕は2年半前、亡くなった妻の長女が巻き込まれた交通事故の顛末を思い出していた。

その事故とは・・・深夜に、長女は友達の女性の運転するバイクの後部座席に乗っていた。後ろから、かなりのスピードで走ってきた乗用車がゆっくり走っていたバイクにまともにぶつかった。車を運転していたのは、ある町の町長さんの息子だった。僕たちが現場の目撃者を割り出して聞いたところでは、その息子はかなり酒に酔って運転していた。けれども、警察はどちらが悪いとも判断せず、当事者同士で話し合ってくれと言うばかりであった。その点は今回と似ていなくもない。

バイクを運転していた女性はごく軽いケガで済んだが、長女の方は手足と顔にかなり酷い傷を負って入院した。警察での2度にわたる話し合いで、町長さんは長女の顔の傷の治療費と慰謝料として「お金は払うよ。ただしバイクを運転をしていた方と折半だな」と言った。ところが、バイクを運転していた女友達の母親は「車の方が悪いんだから、お金は一切出しません」と言ったので、話し合いは決裂した。少し誠意を見せかけた町長さんも、「あなたが出さないと言うなら、うちの方も出しません」となった。

亡くなった前妻は、「冗談じゃない」という感じで知り合いの弁護士に相談した。僕も裁判をやってでも町長の息子の責任を取らせたいと思った。けれども弁護士は「幸い命にかかわるような重大なケガではないので、取れたとしても雀の涙くらいなものです。費用と時間の無駄だから裁判はやらない方がいいでしょう」とアドバイスした。結局、形の上では泣き寝入りだ。その後、事故には全く無関係の町長さんの娘さんが交通事故で亡くなったと聞いたときは、何とも言えない複雑な気持ちになった。それも全部、前のブログに書いた。


今回の事故は息子が前方不注意なのかもしれないし、相手が悪いのかもしれない。警察官の言った通り、確たる証拠がない。息子が僕に説明したところによると、息子はスーパーハイウエーの分岐点を左に入ろうとして、道路のセンター付近から左のレーンへ入ろうとしていたようだ。相手の男性のバイクは、これがいまだに進路がはっきりしないが、右寄りに進路を取ろうとしていた可能性が高い。というのは、相手のバイクの右側と、息子のバイクの左側が接触しているからだ。2台のバイクの傷は一見ほとんどわからないくらい軽い。だから「衝突や追突」という言葉で表現すべき事故でなく、「接触」であることは間違いない。

警察官が最後に言った。「あのスーパーハイウエーの現場はトラックや車がかなりのスピードでたくさん走っている。2人が倒れて、車に轢かれる可能性は大きかった。でも奇跡的にそれがなかった。それだけでもラッキーだよ。」


タイでは中学生や高校生がバイクに乗る。息子のように免許を持っている学生はごく少数だ。たまに小学生も乗っている。警察は12~3歳くらいの子供がバイクに乗っていても何も言わない。今回の事故の相手の男性は立派な大人だけど無免許運転だ。免許がなくても警察はまったく問題にしていなかった。そういう点では日本とは大違いだ。


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No title

私見ですが、
この問題に関して、下手に外国人はたとえ親であってもタッチしない方が良いのではないかと思います。
当事者でない限りできれば代理のタイ人を立てた方がよかったようにに思います。
私も事故経験が2度有り、警察でもタイの悪い側面をいやと言うほど見せつけられました。
後ろからぶつけられても、付き添いのタイ人このくらいの金額で済むから諦めろと。裁判の面倒くささは日本でいやと言うほど味わってるので言葉も解らないこの国ではどうすることも出来ません。
実は、私も無免許だったんです。車の国際免許書でモタサイレンタルできていたからてっきりOKだとばかり思っていましたが、左に非ずで後ろめたい気持ちも有ったから余計です。
この後さっそくモタサイ免許を取りに行きました。

Re: No title

alfa さん、こんにちは。

> 下手に外国人はたとえ親であってもタッチしない方が良いのではないかと思います。

相手の男性や警察官とは、僕自身は一言も口をきいてません。これからも、そうするつもりです。

それにしても、大人が無免許で高校生は免許があるのに、警察はそれを考慮しないのはいかにもタイですね。日本だったら、無免許で事故したら大きな顔して警察に行けないでしょう。

No title

もう一週間もブログ更新が有りませんがどうかされました?心配してます。

Re: No title

江崎さん、おはようございます。

> ・・・心配してます。


いやいや申し訳ない。いろいろと取りこみ中でして、書くとすれば格好の材料ですが、怠け癖も顔を出して放ってありました。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
身を削って過ごした30余年のサラリーマン生活にピリオド。ここチェンマイに移り住んでからも、楽しいこと辛いこと、いろいろとありました。でも、それは全部過去のこと。人生、どこまでリセットできるものなのか、自ら実験台になって生きています。

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