FC2ブログ

“終わった人”でもモテるタイ

6月6日(水)

内館牧子さんの小説「終わった人」の映画が今週封切られるそうだ。もちろん日本の話。僕はその小説のことを全く知らなかったが、今朝ネットで舘ひろしの主演する映画の記事を読んで知った。

「終わった人」は、東大卒のエリート銀行マンが途中で出世街道から外れ、子会社への出向のあと本社に戻れないまま定年退職を余儀なくされ、不完全燃焼のままサラーリーマン人生を終えた男の物語。エリートではないが自分も6年前に早期退職してタイに移住してきたので、不完全燃焼と言う点ではまるで自分のことのように思えなくもない。

僕が感じる不完全燃焼と言うのは、社内でいま一つ出世しなかったとか、外に出されたまま退職したということばかりではない。40歳くらいで管理職と専門職の二つに道が分かれるのだが、自分の意志ではなく管理職にさせられた。

そうなると給料はそこそこだが、予算管理とか人事管理とか人材育成とか、本来の仕事以外にあまり面白いとは言えない仕事が増えた。部下の仕事に何か問題が起きた時の後始末も自分の責任だ。当時はそれがまんざらでもないと思ったのだが、給料は多少低くても、自分のやりたいことに専念できる専門職の方が自分に向いていたのではないかという思いがずっと付き纏った。

話を「終わった人」に戻そう。

主人公の壮介は典型的な会社人間だった。退職後は暇を持て余し、ジムに通ったりカルチャーセンターに通ったり、さらにはベンチャー企業に再就職を試みたりするが、それもうまくいかない。第2の人生を設計できないのだ。

そうこうするうちに、カルチャーセンターで出会った子なしバツ一の30代の女性に恋焦がれるようになる。そう簡単に相手が振り向いてくれるわけではない。せいぜい美味しいものをご馳走してくれる“便利なオジサン”どまりだ。

プライドだけは高い元エリートの60代のオジサンと、30代の女性が恋人同士として付き合っていくことなんて、日本ではまずありえないのだろうか?作者は基本的にはありえない、と考えている。

もしそのような年齢的に釣り合わない関係があるとすれば、それは男の家庭がうまくいっていないとか、普通の仕事ではなくて人が羨むようなクリエイティブな仕事(たとえばアートディレクターとか作家とか?)をしていて、どこか普通の男とは違う空気感を醸している場合だという。

作者の考えが真実かどうかは僕にはわからないが、家庭がうまくいっていない男に女が惹かれるというのは、確かにそういうケースは多いと思う。仕事をバリバリこなし、性格も明るく、奥さんや子供を大切にしている男に女が本気で近寄っていくことはまずない。どこか影のある男に女は気を許してしまうものだ。

ただし、女に何か問題があるときに相手に寄り添って聞き役になってあげるとか、女がついつい心を許してしまう優しさを持っているとか、相手の女以外の人にも思いやりのある男でないと、大概うまくいかない。これは日本人どうしの場合の話だ。ましてや男が50代や60代であれば、若い女から男に行くことはまずないし、男がその気になって身を焦がしても一歩も前へ進めないだろう。

でもタイは違う。家庭がうまくいっていようが問題を抱えていようが、そんなことは関係ないし、そもそも家庭があるか独身かということすら問題にならない。女の方から男に近づいていくことは、その筋のプロの女以外は考えられないとしても、男がその気になりさえすれば、女を捕まえることは容易だ。

ただし、ご存じの通り、外国人の場合はある程度の金をもっていなければ話にならないが、その金というのも、数百万バーツの預金があるとか、家屋敷を持っているとかということではない。1か月数万バーツあれば若い素人の女を口説き落とすことは簡単だ。極端な話、月1~2万バーツでも愛人(キック)なら可能だ。ただし、「金の切れ目が縁の切れ目」という現実は、日本以上に厳しい。

ではタイでは、金さえあれば女にモテるか?答えはイエス、アンド、ノーだ。その理由は、あえてくどくどしく書く必要はなかろう。



にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村  
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

毎日暑いですね。定宿の犬も、毎晩ロビーの石段で涼をとって寝ています。
私は、歯医者通いと庭に侵入する猫対策で、あっという間の3カ月間でしたが。
諸事情あり、当初予定よりも半月早くチェンマイ入りしました。
隣家で始まった改築工事の騒音逃れも兼ね、ちょうど良かったかもしれません。
用件も終わり、今週から映画を観たり毎度のローテーションで呑んでおります。

『終わった人』の映画版、奥さんが黒木瞳で出会う女性が広末涼子。舘ひろし主演で動員も考えるとこのキャストなんでしょうが、共感を呼べるのかどうか。
終わった人・チェンマイ版やフィリピン版、ブログを含むノンフィクションは多数あるものの、意外と作家が題材にしないのは、何故なんでしょうか。

Re: No title

MARINOさん、こんにちは

このところのチェンマイは異常に暑いですね。直射日光に睨まれる2階はほとんどエアコンが役立たないくらい熱せられ、昼間は1階に避難しています。

>意外と作家が題材にしないのは、何故なんでしょう

大部分の日本人は東南アジアにはあまり興味がないからでしょう。ヨーロッパに移住してポーランド娘と歳の差の大恋愛というなら少しは興味が唆られるでしょう。タイやフィリピンは買春というイメージが強すぎます。小説や映画にしても、よほど登場人物のキャラ設定を巧みにしないと共感を得られないのでしょう。売れなきゃ仕方ないですからね。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
2012年、60歳でチェンマイへ移住。2017年にタイ人の妻を病気で亡くした後、愛人だった若いタイ人女性と再婚、前妻が可愛がっていた小さな犬2匹も一緒に暮らしている。

最新記事
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
検索フォーム
QRコード
QR