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思ってもみなかったタイ人が電話してきた

10月15日(月)

昨日の日曜日、前妻の子どもたち3人と弁護士が話し合いをした。僕はいなくていいと弁護士が言ったので、話し合いには参加していない。住んでいた家を売るかどうか・・・土地の相続権のある子どもたちのうち、2人が同意すれば売却できるそうだ。売ったお金は僕と子どもたちで分けることになるのだが、これまで女の子2人が同意していない。とくに長女は去年、「簡単には同意しないで、できるだけ沢山ふんだくってやる」と息巻いていたそうだ。

家のことと大いに関係があるのだが、先週、前妻と関係のあったタイ人3人が、まるで申し合わせたかのように、たて続けに僕に電話してきた。最初にかけてきたのは、何とまあ、事もあろうに3人の子どもたちの“生物学上”の父だった。いや、父と呼ばれる資格はまったくない。

彼は日本で前妻と知り合って5年くらい同棲していた。結婚はしていない。10数年日本に不法滞在して、横浜でディスコを経営していた。その間に女の子2人が生まれた。父親と言えばそうだが、父親らしいことは何ひとつせず、前妻と子どもたちを捨てて別のタイ人女のところへ走った。

前妻の娘2人の戸籍(タイでは出生証明書)には父親の名前がない。空欄になっている。実際、その男は子どもたちを捨てた後、一切金銭的援助をしていない。一番下の男の子については、前妻が日本人と正式に結婚した後に生まれたのでタイと日本の両方の国籍を持っている。10年以上前に亡くなったその日本人男性が戸籍上の父親だ。僕はあとから養父になったってわけだ。

養育費も一切払わずに子どもたちを見捨てたタイ人男性が一体何のために僕に電話してきたのか?

「ワタシは子供たちの実の父親です。アナタに心があるなら、家を売らないでほしい。子供たちに残しておいてほしい」と言ってきたのだ。今はバンコクに住んでいるその男がどうして僕の電話番号を知っているのか?おそらく前妻の長女が知らせたのだろう。長女だけは、前妻の存命中も時々コンタクトしていたフシがある。

僕は「実の父親だって?笑わせるなよ。何ひとつ父親らしいこともせずに家族を捨てたキミが父親ズラするのは、どういう魂胆かね?家のことは、あんたには全く関係ない話だ。二度と電話してこないでほしい」と、そういうことを言うつもりでたどたどしいタイ語をしゃべった。伝わったかどうかはわからないが電話は一度きりだった。

階下でテレビを見ていた彼女が僕の大きな怒鳴り声に気付いて、階段を上がってきた。

その男と直接会ったのは、去年の前妻の葬式のときだった。火葬の直前、たくさんの参列者の人ごみの中で彼は僕の肩をポンと叩いて、決まり悪そうに会釈した。歳は40代半ばは過ぎていそうだった。僕はその男が誰か、勘ですぐに分かった。言葉は交わさなかった。そばには子どもたち3人がいたが、誰も彼とは話をしなかった。高校生の男の子に「この人覚えてる?」と聞いたら、「知らない」と言った。長女だけはわかっていて、わざと知らないふりをしていた。

その次に電話してきたのは、その翌日で、前妻の親友のタイ人女性からだった。彼女はもう30年近く日本に住んでいる。去年の葬式の時は、20代の娘さんを連れて飛行機で飛んできてくれた。彼女は僕に驚くべきことを言った。

「元気にしてますか?たまには日本に帰っておいでよ。ワタシの家に泊まっていいですよ。」

ここまでは、別に驚かない。肝心なのはその次だ。

「昨日の夜ね、〇〇(前妻の名前)が夢に出てきたんですよ。そしてね、『▽▽(僕の名前)が困ってるようだったら、助けてあげてね。』そう言ったんですよ。何か困ったことありますか?」

僕は家を売りたいと思っていること。そのことで子どもたちと弁護士が話し合っていること。そして、子どもたちの父親だというタイ人男性から電話が来たことを話した。すると彼女は・・・

「そうね、家は処分した方がいいかもね。あなたも知ってるPさんが相談に乗ってくれると思うので、話してみます。それから、あの男は性格悪いから相手にしてはダメよ。ほっときなさい。悪だくみかもしれない。」

そのあと、すぐにPさんから電話が来た。僕はPさんのことをすっかり忘れていたが、話しているうちに思い出した。前妻の知り合いで、やはり以前日本に住んでいた40代のタイ人男性だ。今はタイ全土で公共工事を請け負う立派な土木会社の社長をしている。前妻が生きているとき、彼は何度かチェンマイに来て、家族で食事したことがあった。

「何か困ってることがあったら、何でも言ってね。僕にできることがあったら力になるよ。」

そう言われたので、ついつい家を売りたいことや前妻の子どもたちの実情を話した。すると彼は、「チェンマイにも知り合いの弁護士がいるので、頼んであげましょう。」でも、すでに弁護士はいるから、その必要がないことを伝えると・・・「もし家を売ることが決まったら連絡してください。いくらでも買い手は探せるし、何なら僕が買ってもいいですよ。ハハハハ・・・・とにかく今度チェンマイ行ったら会いましょう。」

前妻が亡くなって、彼女の親戚以外の知り合いから連絡があるのは珍しい。しかも3人たて続けに。亡くなった妻は「困ってるようだったら、助けてあげて・・・」本当にそう言ったのだろうか?にわかには信じがたいが、彼女はあの世でずっと僕のことを心配し続けているような気がしてきた。だから、一番信頼のおける親友の夢枕に立ったのだろうか・・・・?

僕自身は家が売れても売れなくても、実際は何も困らない。今住んでいる借家で十分だ。ただ、今の彼女の将来を考えると、小さくてもいいから家を買ってやりたい。前妻も、きっと反対はしないと思う。というより、今さらながら彼女は僕のことを心底愛してくれていたんだと思うと、とても嬉しくなった。そして僕も、亡くなった彼女を心底愛し続けている。

弁護士とは数日後に会うことになっている。子どもたちとの話し合いの結論はまだ聞いていない。直接会って話すと言うことだから、多分、複雑なのかもしれない。


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プロフィール

Niyom

Author:Niyom
身を削って過ごした30余年のサラリーマン生活にピリオド。ここチェンマイに移り住んでからも、楽しいこと辛いこと、いろいろとありました。でも、それは全部過去のこと。人生、どこまでリセットできるものなのか、自ら実験台になって生きています。

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