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Tの家族に会った

一昨日の話だ。妻のお姉さんがいつまでたっても車を持ってこないので、僕というよりもTが、「それは酷すぎる」と怒ってしまった。夕方親戚の車を運転して僕を家の傍まで迎えにきた。僕はTのアパートで一夜を過ごすことになった。

翌朝、4時半に目覚ましが鳴った。2人は肌を寄せ合って寝ていたので、そのまま短めの“朝のお勤め”に突入した。終わるとTはシャワーを浴びて身支度を始めた。Tの家族は郊外にある専科大学の構内にお店を持っているのだ。

「これから市場に買い出しに行きますけど、一緒に行きますか?それとも、ここで寝てますか?」

もちろん僕は前者を選択した。前の日に買った美味しいクロワッサンとコーヒーで軽い朝食を摂った。

彼女の運転する車で向かった先は、市内中心部にある「ムアンマイ・マーケット」。深夜から朝にかけて開いている市場で、買いに来るのはほとんどが飲食店などを自分でやっている玄人だ。

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肉や魚、野菜や果物、菓子類など、どれもこれもスーパーマーケットで売っている値段とは比べ物にならないくらい安い。たとえばミニトマト。スーパーで買うと150グラムが40バーツくらいだが、ここで買うと1キロが60バーツだ。つまり4分の1以下。しかも、毎日深夜に山の人たちが卸しに来るので、野菜や果物はどれも新鮮そのものだ。


さて、市場で果物や菓子類を仕入れたTは、そのまお店のある大学に向かった。時間は7時を過ぎていた。いつもはもう少し早いらしい。お勤めの分だけ、出遅れたようだ。

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Tの両親は学内にある食堂にお店を持っている。授業のある日は毎朝3時に起きて準備をする。料理を作るのは主として父親の仕事で、母親はどちらかというと売る方に専念しているらしい。2人のほかに、家に住み込んでいる女性の従業員を1人雇っている。

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Tの店は、両親の店の隣にある。妹と2人でやっていて、売っているのはコーヒー、ジュース、グリーンティー、水などの飲み物と果物や菓子類、そして他のお店にはない「チーズ揚げ」という人気商品などだ。いわば薄利多売の商売で、菓子類は8バーツで仕入れたものを10バーツで売る、という感じだ。去年、試しに小さめの日本風お好み焼きを作って1枚20バーツで売ってみたら、バカ売れしたそうだ。

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これは午前11時半過ぎの食堂内の様子。大学の近くにお店は1軒もないので、ほとんどの学生は食堂に来るに違いない。食べ物商売にとって絶好の場所だ。それでも売り上げは、日によって大きな変動があるという。

Tはいつも午後1時過ぎにはお店を妹にまかせて、そのあとはジムで運動したり、ゴルフの練習にあてたりしている。


僕がこのお店に着いたとき、実は両親がここで働いているとは知らなかった。Tのお店の隣だったので、何となく目で2人に挨拶しただけだった。僕が何者なのか、Tがどこまで話しているのか分からない。しかし、父親も母親も、僕のことを認識しているような感じがした。なぜなら、仕事の合間にときどき僕に優しく話しかけてきたからだ。両親も妹も、文句なく勤勉に働く人たちだった。


Tの父親は午後になるとお店を離れ、家に帰る。今度は残った肉を加工して犬用の餌を手早く作り市場で売る。それが終わるとまた家に帰って、家族の食事を準備するのだそうだ。朝4時くらいから、夕方6時くらいまで毎日働いていることになる。

Tによると、父親はお酒もたばこもやらず、浮気したことも自分の知る限り一度もないそうだ。趣味は唯一アクション映画で、夕食が終わると毎日寝る時間までネットで見ているという。ネットの調子が悪くて見れないときだけ機嫌が悪いが、それ以外は難しいところのまったくない完璧な父親だという。

一方の母親は毎日大学に残って、お客さんがいる限りは夜の7時か8時頃まではお店にいる。お店の他にも、自宅の一部をアパートに改築して部屋を人に貸しているので、収入は父親よりも多いそうだ。両親は同年齢で、62歳だという。健康で毎日働けるのが何よりいい。

この日、大学3年になるTの息子以外の家族に偶然会うことになったわけだが、僕の印象では、両親も妹も文句なく勤勉で誠実そうな人たちだった。しかも、大学内のお店は両親と娘で会計を完全に分離している。Tと妹ですら一緒にしないで、商品によって売り上げを別々に管理している。家族が助け合いながらも、それぞれ責任をもって自分の仕事をこなして収入を得ている点はとてもいいと思った。

僕はこのような食の商売の裏側をまったく知らなかった。Tのお店で朝の1時間くらいだけ、仕入れてきたスイカやミニトマトなどを小分けしてビニール袋に詰める作業を手伝った。そして9時半くらいに、一時的にお客さんがほとんどいなくなったので、Tが車を運転し、妹さんと3人で美味しいお店へご飯を食べに行った。カオ・マンカイという鶏料理と、カオ・カームーという豚肉料理。その2品が大きなお皿に山盛りでてきて、3人で分けて食べた。そして会計は200バーツほどだったが、Tと妹さんの2人できっちり折半したのには驚いた。僕が財布に手をやるスキもなかった。

(8月9日、11時50分)


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No title

不透明で自分のお金が何処に消えたか分からないような使い道をする妻、その家族。

方や家族とは言え お金の管理、責任を徹底する家族。 Tの家族の一員になれたら良いですね。

Re: No title

カルロスさん、こんばんは

> Tの家族の一員になれたら良いですね。

そんなふうに感じました。そして ふと、妻が悪いのではなく、親戚が私を利用することばかり考え、彼女も抵抗できなかったのではないか。そういう風にも思いました。

勤勉が一番かな

ミョンさん、おはようございます。私も卯年で同じです。
お元気にお務め励まれて相手もお若く羨ましい限りです。実録でしょうが、小説として読ませて頂き楽しんでいます。自分は、農家の長男で、先祖伝来の地で既に、引退し農業の真似事の毎日です。土地に対する愛着が強いです。日本人のルーツは、農耕民に有ると思います。西洋の狩猟民や騎馬民族は、働く事を労苦と考える民族と言いますが、日本人は、働く事が喜びと感じる民族だと思います。タイ人の男にも勤勉でぐうたらで無い人が居たとは、吃驚です。Tさんと家族になれれば良いですね。タイに初めて行った時、道ばたに稲が生えていて稲の原産地だと実感しました。食べる物があって、暖かくければ、ぐうたらでも生きて行けます。Tさんの金銭感覚、良いですね、お父さんも貴重。でも、親戚の要求ではと今の奥さんの気持ちを推し量るのは、ミョンさんの優しさですね。

Re: 勤勉が一番かな

ドリアンランラトウさん、こんばんは

> タイ人の男にも勤勉でぐうたらで無い人が居たとは、吃驚です。

確かにタイの一般庶民の場合は女が良く働き、男はぐうたらというパターンが多いですね。よく知りませんが、上層階級もそうかもしれません。Tの父親のような人は日本では珍しくありませんが、タイではあまりお目にかかりませんし、私などは真似できないと思います。

>食べる物があって、暖かければ、ぐうたらでも生きて行けます。

なるほど。ぐうたらも意外と自然な生き方なのかもしれませんね。

No title

もう既に気持ちはTさんに傾いているようですね。
相手の家庭環境を調べる事が大事だと私も何度かの恋愛で経験しました。
学内での飲食店だと学校がある限りは余程の事がない限り安泰ですね。私のタイ人友人の一人もパーヤップ大学で飲食店をやってます。

Re: No title

alfaさん、こんにちは

> 相手の家庭環境を調べる事が大事

結婚とかするのであれば、それは絶対に欠かせませんね。その点、前妻が亡くなった後の私の行動は軽率でした。

No title

奥さんは裁判用に不倫の証拠を集めている可能性があります。
(下手するとTさんも訴えられるかも・・・)
最後にごそっと慰謝料を請求される気がしますので油断は禁物です。
弁護士も警察もタイ人の優位なのでご注意ください。

Re: No title

ユウさん、こんばんは

> 最後にごそっと慰謝料を請求される気がしますので油断は禁物です。

タイ人女性と離婚する場合、月収の3~4か月分を相手に渡すのが相場だそうです。日本と比べれば、交通事故の死亡補償額が桁違いに低いのと同様ですね。もし仮に相手がずっと扶養してくれるのであれば、女性にとっては離婚しないほうが得なわけです。いずれにせよ、最終的にお金でものごとを決めるは、これは世界共通ですね。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
2012年、60歳でチェンマイへ移住。2017年にタイ人の妻を病気で亡くした後、愛人だった若いタイ人女性と再婚、前妻が可愛がっていた小さな犬2匹も一緒に暮らしている。

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