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チビの死がもたらしたもの

17日木曜日の夕方、お隣のブルドックに咬まれ、金曜日の未明に息を引き取ったチビ。あっという間の出来事だった。もし病気にかかって、治療を続けたあとに死んだのなら諦めもつくかもしれない。突然の“事故”は辛すぎる。何かの事故や災害で家族を失くした人の言い知れぬ悲しみが、この歳になって初めて少し分かったような気がした。

土曜日は、バンコクの研修から帰ってくるKと会う約束をしていた。数日前、「僕たちの記念すべき日にするために、ホテルに1泊してみようか」と提案したら、KはアッサリとOKした。すぐに郊外の瀟洒なホテルを予約した。

もしチビが入院したままの状態だったら、土曜日はどうしていただろうか?チビを放っておいて、Kとの逢瀬を楽しんだだろうか?それは仮定の話だから、どうなっていたか分からない。その日はけっこう迷った末に、チビの死を忘れるためにもKと会うことにした。

ところが、いつまでたってもKは約束したホテルに来なかった。その逆に、元妻からはこんなLINEメッセージが入ってきた。

「今アナタがどこに居るか分かりませんが、ワタシはアナタの世話をしたいです。なぜなら、アナタを今も愛していますから」

Kは来ない。元妻は僕を愛しているという。さて困った。激しく心が揺れた。でも、何だか自分がバカみたいな気もした。Kが来ないので、夜一人でホテルの近くのレストランで食事を始めた。亡くなった妻とも、元妻とも何度か来たことのあるタイレストランだ。ウエートレスはみんな若くて色っぽい。広い店内を見渡すと、男一人という客は僕しかいない。ウエートレスと目を合わせると、みんな意味ありげな視線を送ってくる。

食べ始めて1時間、KからLINEが来た。「今どこにいるの?」・・・昼過ぎに会う約束だったのに、もう夜8時を過ぎていた。

Kとビールを3本飲んで、彼女も少し食べて、ホテルに一緒に戻った。そして予定通りの行動をした。寝る前に1回、朝起きて1回。でもちょっと違和感があった。元妻とお勤めするときのような感じとはだいぶ違う。でも、「こんなものかなあ」と思って、とくにガッカリしたわけではなかった。それよりも、彼女の早口のタイ語が気になった。よく分からないのだ。言っていることが。

その翌日は、彼女が勤める会社に初めて出勤する日だった。夜8時までの勤務で、僕は7時にはその近くに行って待っていた。そして一緒にまたビールを飲んだ。ところが、そのあとが問題だった。別れる前に、駐車場に止めたあった僕の車の中でくっついて話をした。

「車のガソリン代がないので困ってるの・・・」

それまで、お金のことで彼女が僕に助けを求めたことが一度だけあった。彼女が会社の研修でバンコクにいるとき、2000バーツ銀行振り込みで貸してあげたことがあった。「チェンマイに帰ったら返します。ありがとう」で終わっていた。

ガソリン代が払えない?そんな財布の状態でどうして車に乗っているのか?でも困っているなら助けるのが紳士の作法なので、財布から1000バーツを取り出して渡した。すると「これで給料日の月末までもつかしら?」と言った。僕はあれっ?と思った。月末までの10日分のお金が欲しいというのだろうか・・・

「前に貸していた2000バーツもあるよね」と僕がハッキリ言うと、彼女は、「ありゃー、そんなことを言うの・・・」と驚いたふりをした。2000バーツは貸したのではなく、あげたことになっていたようだ。それはそれで構わない。でも関係を持った途端にお金のことを持ち出す彼女を見ると、「ああ、やっぱり」という思いがした。誰も彼も同じだね。結局は男は金ズルに見えてくるのかもしれない。

その日の夜、僕は夢を見た。亡くなったばかりの犬のチビが出てきて、僕にタイ語でこう言った。

「おとうさん、M(元妻の名前)を捨てたらダメです。ちゃんと面倒見てあげてください。僕のお母さん(亡くなった妻)も、そう望んでます」

チビの一言で僕は我に返った。でも、こんなことが本当にあるのだろうか・・・犬が亡き妻の想いを伝えてくることなんて、とても信じられない。でもそうだったのだ。夢は人の深層心理をあらわすものだと言われている。とすると、僕は結局は元妻を捨てられない運命にあるのだ。そして今日、僕はその夢に出てきたチビの言う通りに行動した。

自分の行動力に、自分でも驚いた。とにかく速い。僕と元妻の2人と、もう一匹の犬が住む新しい家をすぐに見つけた。チェンマイ市内に手付金を払っていた家はキャンセルした。お金の問題ではない。明日はその家の契約をすることになっている。今の家よりもだいぶ市内寄りだが、彼女の勤めているゴルフ場までは9キロなので仕事に支障はないだろう。それよりも、僕の求めていたような理想的な住宅だった。

「女を追いかけているよりも、こういう家でお前さんと犬と一緒に暮らすほうがよっぽど楽だということが分かったよ」

「なんですか?アナタは今頃やっとわかったのですか?」

また仕切り直しだ。考えてみれば、2年以上前からこんなことばかりやっている。結局は彼女と離れられないのだ。でもチビは命を賭してまで、そのことを僕に伝えたかったのだろうか?とにかく彼女とは別れられないことはこれで分かった、としか言いようがない。やれやれ。この3か月間はずいぶんと浪費したものだ。でも、得たものも大きいかもしれない。

でも待てよ。別れるからと言って彼女にあげた〇〇万バーツはどうなるの・・・・

ついでに言うと、そろそろこのブログも打ち止めにしようかとも思っている。なぜなら、もう書くほどのドラマチックな展開はないかも知れないから・・・

(10月21日、午後10時)

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No title

こんにちは、最近は良いペースで更新しているので楽しく拝見しています

元妻に渡した、〇〇万バーツ(笑いました)

ブログは打ち止めしないないで今後も継続お願いします

よろしくです

No title

初コメさせて頂きますが、残念ながら今のお年で女性と付き合うなら、お金が絡むのは仕方のないことだと思います。
私が見てきた日本人の年配+若年外国人カップルは、直接言わなくても、内心はお金目的です。アジア系の外国人女性はその辺割り切ってますから、年配の方とも付き合えます。
また親族第一主義であり、旦那は親族の下に置かれます。どこまで行ってもこれは変わりませんので、そこを分かって付き合うしかないです。

お釈迦様の手の上で踊る

波乱万丈な展開ですね。チビの導きで元の鞘に収まる事に決められたならそれはそれで。これまでもこれからも元妻を上手く調教して行く一環で有れば、良い選択では。元妻の本気度は、と思います。でも、お互いに駆け引きが有った方が老け込まず楽しいですか。

Re: No title

オヤヂさん、おはようございます

> 元妻に渡した、〇〇万バーツ(笑いました)

巧妙な詐欺かもしれませんね。

> ブログは打ち止めしないで・・・

この3か月余り、我ながらドラマティックな展開でした。それ以上の刺激的な出来事は今後はないかもしれないので、書く気になるかどうかというところです。つまらない日常なら書きますけど(笑)。

Re: No title

おさるさん、おはようございます

> 親族第一主義であり、旦那は親族の下に置かれます。どこまで行ってもこれは変わりません

ほとんど仰るとおりでしょう。ただし例外はあります。亡くなった妻です。生きているときは親族からのさまざまな要求を全てブロックしてくれました。死ぬ直前には、遺言状を残して私を守ろうとしてくれました。そのおかげで前の家は親族の手に渡ることなく存在しています。もちろん彼女も親は、彼女を売り飛ばしたような酷い親でも、最後は大切にしていました。

Re: お釈迦様の手の上で踊る

ドリアンランタロウさん、こんにちは

> チビの導きで元の鞘に収まる

チビの死を都合よく解釈した彼女の罠に、まんまと嵌ったようなものです。やはり6年以上も付き合っていると、そうやすやすとは別れられないということです。とくにセックスの相性が抜群だと余計そうなりますね。先々枯れてきたときに後悔するかもしれませんが・・・

>元妻の本気度は

半分くらいは本気でしょう。そして半分は嘘。別れていたら、生活のためにすぐ別の相手を本気で探したでしょう・・・結局のところ、浮気しないだけ、ましな女かもしれません。


めでたし・めでたし?

ご無沙汰です。
小生の感想ですが、TさんとKさんの二人とは肉体的に合わなかったのではないでしょうか、今の彼女は性格的には色々あっても肉体的に相性がよい、niyomさん・それが一番かもしれません。
離婚して同居していても、独身ですからつまみ食いは出来ます。
我が家の犬は14歳でヨボヨボで留守できませんが、落ち着いたら訪タイしたく思います。

Re: めでたし・めでたし?

のり3さん、こんにちは

> 今の彼女は性格的には色々あっても肉体的に相性がよい・・・それが一番かもしれません

あと10年、彼女も40代になれば、少しは大人になってるかもしれません。老後の面倒をみてもらうことは、この際考慮しないことにしました。なるようにしかなりませんから。

> 独身ですからつまみ食いは出来ます。

昨日も彼女は「アナタは自由にどうぞ。浮気性の男なんですから」と言ってました。要するに、生活の面倒さえ見てくれればいいということです。

> 落ち着いたら訪タイしたく

いつでも、お待ちしております。
プロフィール

Niyom

Author:Niyom
2012年、60歳でチェンマイへ移住。2017年にタイ人の妻を病気で亡くした後、愛人だった若いタイ人女性と再婚、前妻が可愛がっていた小さな犬2匹も一緒に暮らしていたが・・・

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